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-実学の高度化を模索する学会-  Society of Practical Integrated Agricultural Sciences

会長の挨拶

実践総合農学会会長実践総合農学会会長 門間 敏幸

実践総合農学会は、2004年11月28日に地球環境の保全問題への対応、安全・安心な食料の確保に貢献できる実践的・総合的な問題解決型の農学の構築を目指して、様々な人々の英知を結集する目的で、農学研究者、生産者、消費者、企業などの多彩な分野の人々が参加して結成された。

現代の農学には、有限な地球の大地で2050年までに100億人に達すると予測される人口を扶養できる食料の生産技術が求められる。また、その技術開発は、急速な地球温暖化の中で急激に変化する生産環境、人類の増加がもたらす自然・環境破壊、急速に高齢化し失われていく農林水産業の担い手、近代農学が生み出した高度な生産手段や生産資材とその活用技術がもたらす生産環境の悪化と生産コストの増加、農産物価格の低下による農業の収益性の低下という困難な問題を同時に解決することが求められる。

しかし、現在の農学研究は、こうした社会的な要請や深刻化する食料生産現場の問題解決と離れて各専門分野独自の価値観や問題意識にこだわり、現場や他の研究分野と交わらないタコツボ型研究組織が増殖している。もちろん、学理の究明を目指す基礎研究は、イノベーションの創出に不可欠であるが、それとともに基礎研究の成果を現場の問題解決に活用する実践的な応用研究、総合研究の充実が求められる。さらに、現場から問題を探り出して、その解決のために基礎研究のイノベーションを創出することも重要である。また、ゲノム編集、IoT、ロボット、人工知能(AI)の目覚ましい進化は、基礎・応用という既存の研究のジャンルを大きく変え様々な研究分野の英知の結集を加速化している。

こうした現代の農学を取り巻く科学の発展、急速な変化を遂げている営農現場と農業の担い手、次世代の農業の担い手になるべく研鑽を続けている学生、さらには農業普及、農業団体、企業や消費者等農業と深い関わりを持つ組織等が、相互に連携を深めるための架け橋となるべく実践総合農学会の活動を展開したいと考えている。

皆様方の参加を心から歓迎するとともに、シンポジウムや学会運営に関する積極的なご意見をお待ちしております。